SHIGANAKUNAI

しがなくないデザイナーを目指す備忘録

二極化するウェブ制作会社

先日、こんな記事を読みました。

4月から無職になりました | Arch

『Web制作会社は二極化が進んでいる』
とのことですが、最近セミナーで会う色んな方と話していると最近の制作会社はまさにこのようになっていっている傾向を肌で感じます。実感はしていたのですがまだ文章にしていなかったので、この記事を読んで強く共感しました。

制作会社より安く作れる!?サイト制作サービス

みんなのビジネスオンラインJimdoなど、最近「簡単にウェブサイトが作れる!」と謳ったサービスをよく見ます。

制作会社に依頼するより格安の料金でウェブサイトを制作でき、更新も自分でできることから注目されているサービスです。

みんビズやjimdoでなくとも、最近ウェブ制作費は低価格化しているように思います。サイト制作の低価格化が進むと、
「ウェブサイトって安く作れるんだ!普通の制作会社に依頼するなんて勿体無い!」
と認識され、サイト制作の依頼が減ってしまうかもしれません。僕達にとってはまさに目の上の瘤のようなサービスです(笑)

しかし、だれであってもサイトを安く制作できるに越したことはないですよね。
今後、制作会社は低価格化の流れにどう立ち向かえばよいのでしょう…

安い制作費で出来ないところを突く!

「このようなサービスが普及するほど制作会社はチャンス!」
そう仰る制作者もいます。その理由は…
「安く作れても売上に繋げる魅せ方や導線確保を行うことは難しい。売上を伸ばすために制作会社に依頼することになる。」

とのこと。これが低価格化の流れ負けない二極化していく制作会社の一つ、
『マーケティング提案、情報設計、ブランド構築など得意分野を持っている会社』
ということになるのでしょうね。

提案できる会社だけじゃウェブ業界は成り立たない

二極化していく制作会社のもうひとつ、
『安い価格で制作物はそこそこのクオリティ、夜遅くまで対応してくれる会社』
はどのような状態で生き残れるでしょうか。

みんビズやJimdoを利用せず、ディレクションやマーケティングの知識を必要としない。となると、
代理店から仕事を受けている下請けの制作会社
でしょうか?
こちらのほうが上の会社より多く存在することになるでしょう。

下請けの会社は上流に振り回されることが多々あります。もちろんそんな案件ばかりではありませんが無きにしもあらず…
しかし下請け会社が無ければウェブ業界は成り立ちません。良く言えば縁の下の力持ちですね。

二極化の流れに乗れていない制作会社

上記の記事によると、現在上記の二極化の流れに乗れていない制作会社は

  • 安さ・速さを追求する
  • 企画・マーケティングに強くなる
  • 現在持っている強み(デザインなど)を強化する
  • HTML5やJavaScriptなど、新技術に特化する

という方向にすすむべきだそうです。
「自分の会社は、ここだけはよそに負けない自信があります!」と言えるものが必要になるということですね。そのためにはスタッフ個人個人が日々勉強しなければなりません。

個人がステップアップを考えない、二極化の流れを把握していない制作会社は上記の記事の通り『淘汰されていく』んでしょうね…

淘汰されない?もう一つの方向

上記の方向の中に、僕は『運営』を入れたいです。
これはいま僕が務める会社が進んでいる方向で、制作したサイトの制作と運営・管理を行うというものです。
上記の企画・マーケティングと似ていますが、更に一歩踏み込んだ方法ですね。

初期制作費は少ないもののクライアントと長期的に付き合うことができ、関係が密になるので強い信頼関係を築くことができます。そしてクライアントの横の繋がりから仕事の幅を広げていく…という感じです。

この方法もスキルアップは必要ですが、運営にあたってクライアントの業種についても学ばないといけません。また、継続的に売上を考えていかないといけない、失敗で信頼を失ってしまうと繋がりで関わっている他のクライアントとの関係も危うくなる…など、とても大変でもあります。
しかし営業をせず、信頼関係で成り立つので、制作会社としては理想的な形の一つだと思います。

photo credit: Richard.Asia via photo pin cc

AKIO KAI

からあげと温泉のまち、大分県出身大阪在住8年目。しがなくないデザイナーを目指してWeb、DTP、映像編集、3DCG、VRとかやってます。

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