「Webデザイン受発注のセオリー」を読みました。ディレクター入門のような内容の本です。
WebクリエイターボックスさんのTwitter 人気のつぶやきで紹介されていたので、本は知らなくても掲載されているイラストに見覚えはあるかもしれません。
少し前にこんなイラストをよく見かけました。
クライアントよ、お前の依頼の大変さを思い知れ!これがデザイナーにとっての「デザイン修正」だ!
僕はこのイラストに共感できませんでした。
なんでWeb制作のプロが、Web制作素人であるクライアントのいいなりになってるんですか?
もしかしたら代理店や制作会社からの仕事で、具体的な指示を出すクライアントだったのかもしれません。僕も言われたことを着々とこなすだけのオペレーターに徹する場合はあります。
しかしこのイラストは最初から「ピンクがいいな」という要望に従っています。
「なぜピンクなのか」「なぜシャープにするのか」「なぜ目立たせるのか」…そんな議論が見られません。なんとか形にした「絶妙なバランス」はグラグラでいまにも崩れそうです。
このイラスト内のデザイナーは、クライアントの事を本当に考えきれていない、オペレータータイプのデザイナーなのかもしれません。
言われたことをこなすだけは簡単です。ただ時間はかかるし、手直しが増え、最終的にその作業費が貰えないことが多いでしょう。
制作はなかなか進まないし、他の作業が出来ないし、作業費の話でピリピリしなければいけない…デザイナーにとってもクライアントにとってもハッピーなことが一つもありません。
この本ではイラストでの図解や実務を想定した例で、こんな状況を回避するための方法が説明されています。
これからディレクションにも関わっていこうと考えている人には優しい一冊だと思います。
発注者向けの話もあるので、今までクライアントと直接やりとりしていなかった人にも発注側のモヤモヤが伝わるかもしれません。そう考えるとデザイナーやコーダーなど、Web制作に関わる全員が読むと良かもしれませんね。
僕は坂本貴史さんのIAシンキングも好きなんですが、それの前に読むとよさそうな感じです。
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