SHIGANAKUNAI

しがなくないデザイナーを目指す備忘録

デザインってなんだ?

僕は数年前から『デザイナーとアーティストが混合されている』と考えるようになりました。デザイナーの存在、デザインの意味が、望ましくない解釈をされているように感じています。

まずはWikipediaでそれぞれについて調べてみましょう。

デザイナー

デザイナーとは視覚領域において意匠計画や図案、設計を手掛ける人のこと。日本で単に「デザイナー」という場合、主にグラフィックデザインや家具設計、服飾、工業デザインの分野の人物を指すことが多い。デザイナーという職業にはクライアントや依頼主が存在し、それら発注者の意図にデザインで応じる仕事である。

デザイナー – Wikipedia

アーティスト

芸術家は芸術活動を行い、またそれが社会的にも特に認められた人を指す。
各分野の専門家のことを指すほか、一つの表現手法に拘らず、様々な形態で作品を制作している人物について使われる場合が多い。

芸術家 – Wikipedia

と定義されています。
Wikipediaや他の辞書、実体験などから僕なりの両者の定義を考えると…

デザイナー…問題の解決・改善を行う設計士。クライアントのために行動する。
アーティスト…創造力で問題提議などを行う表現者。自分のために行動する。

という感じです。デザイナーとアーティストは『何のため、誰のため』という点で違いがあると思っています。といっても相反する存在ではないので、明確な分類は難しいかもしれません。
異論もあると思いますが、ここは個人の考えだということで…

最近この二つが混合されて認識されていると感じることが多々あります。
原因の一つは多用される「デザイナー」という言葉ではないでしょうか。中でも一番勘違いを招いているのが「デザイナーズマンション」だと思います。

デザイナーズマンション

デザイナーズマンションとは建築家のコンセプトが前面に表れた集合住宅のことである。個性的な外観・間取りを持つ物件が多い。

  • デザイン性が優先され、居住性や使い勝手への配慮にやや欠ける。
  • ディンクス向けが多く、ファミリー向けの物件が少ない。
  • コンクリート打ちっ放しや、間接照明・ダウンライトの多用など、一般的なマンションと異なる内装を持つ。
  • トイレ、風呂はガラスで仕切り、部屋に見せるようにしている。
  • 冷蔵庫、洗濯機置場専用の収納スペースが設けられている。

デザイナーズマンション – Wikipedia

デザインを『設計』と解釈するなら、デザイナーズマンション以外は設計されていないのか?そんなことはありません。この世に存在するほとんどのものが、程度の差はあれ設計されています。

ここでのデザインは『かっこいい』『おしゃれ』という意味で使われているような気がします。
そういうニーズに向けた物件だと考えればデザインされていると言えなくもありませんが…
表面上のことばかり注目されている気がしてなりません。

このように『デザイン』という言葉を安易に使うと、

デザイン→かっこいい・おしゃれ→不便な面も持ち合わせている→万人向けではない

という構図になりかねません。

その結果、
デザインの必要性を理解されず、デザイナーという職業を軽く見られがちになり、デザインに対する費用も出にくく、業界自体が貧乏暇無しへの道を進み続けることになってしまう…
と、デザイン業界の今後について生意気にも心配してみているのですがどんなもんでしょう?

僕たちWebデザイナーはアート面のスキルが必要な場面もありますが、業務の多くがデザインを求められています。

『デザインってなんだ?』と各々が日々追及し、
自分がどうデザインしているか、それをきちんと人に説明できるかが、デザイン業界の社会的地位を高めていくことに繋がるんじゃないかなぁと思っています。

最後に僕が思うデザインについて書いてみます。これを忘れちゃだめですね。
情報が本来どうあるべきかを考え、構成し、利用者に違和感を与えずに提供することだと考えています。
これは僕が最近コーポレートサイトに携わることが多く、驚きよりも確実さを求められているからなのかなぁと思います。

続く

参考:Webクリエイターボックス – アートとデザインの違いは?

AKIO KAI

からあげと温泉のまち、大分県出身大阪在住8年目。しがなくないデザイナーを目指してWeb、DTP、映像編集、3DCG、VRとかやってます。

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